The Bard's Tale Trilogy:これはいい

The Bard's Tale Trilogy / GOG.com
今月末までサマーセール中

更新しないと書いたものの、良いものと巡り会えたら誰かに勧めたくなるものだ。オリジナルである初代作は1985年、2作目は1986年、3作目は1988年に発売されたようですが、2018年に手を入れられた比較的新しいリメイク品とはいっても「そんなに古いゲームだと遊びにくさのほうが目について楽しめないんじゃ?」と思ってしまいそうだけれど、プレイした印象ではとっても遊びやすいです。

本作はWizardryシリーズと同じくD&Dの影響が非常に強いゲームで、プレイしているときの感覚で似ているものを挙げてみると「旧型Wizが8~9割、初期型M&Mが1~2割」というような印象であるけれど、それらも含めた古い作品群の中では際立って遊びやすい。もちろんこの「遊びやすい」という評価は2018年生まれの品に該当するだけであるから、オリジナル品だとそうは思わないはずだ。

遊びやすさの理由としては、操作性が現代でも通用するレベルに改善されていることや、ジャーナルを開くと現在いるMAPが大きく表示されるが、ここには施設名や意味深な落書きなども含めて全て記録される(もちろん歩いた場所のみ表示)。他には3D画面上に周辺ミニマップを表示させることも可能だが、これらがあるだけで大昔のゲームとは思えないほど遊びやすくなります。

本作はゲームを開始するとスカラブレイという町のギルドから冒険が始まるのだが、超初期のプレイフィーリングは独特なものかもしれない。最初はスカラブレイ内を探索するわけですが、同じような空き家が沢山あって、敵が弱くて、レベルがすぐに上がって、お金も増えて「なにこれ、ぬるすぎない?」と人によっては感じるだろうけど、最初の町探索はチュートリアルでありサービス期間とも言えるだろう。スカラブレイをしっかりと探索すれば、入れないエリアと幾つかのダンジョンを発見するはずだが、それらダンジョンに入ってからが本番なのだ。

・小気味よい早さでプレイが可能な本作
何でも早ければいいというものではないんですが、旧型Wizとは言わないまでも、快適な早さで移動ができて、その他の行動も待ち時間なく行えます。言い換えれば「サクサク戦闘ができるゲーム」でもあるのですが、最後まで進めばまた違った印象を受けるかもしれないから断言はできない。

・難しいことを考えずに戦闘をしてキャラ育成をしたい人にオススメ
本作はもちろん英語のゲームだけれど、文章量は少ない部類に入るから海外ゲームに慣れている人ならば快適にプレイできるはずだ。旧型Wizの遠縁のようなゲームであるのに、英文読解に多大な時間を持っていかれるのは本末転倒でもあるから、今の私のようにD&D系のサクサクで遊びたいという人にはまさにオススメだ。

・WASD移動が可能
カーソルキーも移動に対応しているが、戦闘中のコマンドが「A攻撃、D防御とか他にも色々」なので、WASDの方が都合がいい。もちろんマウスだけでもプレイ可能であるし、何とかゲームパッドでも遊べそうなシステムでもあるけれど、基本はWASD&その周りのキー+マウス、これが最も快適だと思います。とは言ってもキーコンフィグ変更はできないので、よく使うことになる「F5とJ」などはマウスボタンのどこかに登録するとさらに遊びやすくなるだろう。余談になりますが、海外PCゲームの多くは「ESCキー」でキャンセルまたは閉じる動作のものばかりなので、マウスのボタンにESCを登録しておくとゲームプレイが捗ることでしょう。

・回復は寺院で
スカラブレイ内には複数の寺院があるので、そこでお金を払って回復します。もちろん魔法でも可能だけれど、この世界は回復もお金で済ませるほうが手っ取り早い。

・スペルポイント(SP)回復も施設で行う
これについては珍しいシステムだと思うけれど、スカラブレイに「Energy Emporium」という施設があるからそこで回復してもらう。スカラブレイ内だとじわじわとSPが自然回復するから超序盤は勘違いしがちなのだが、本作はダンジョン内でSPは自然回復しません。よってSP管理の戦略と、ダンジョンから生還できるかどうかの恐怖が味わえるシステムになっています。

・レベルは「Review Board」で上げてもらう
スカラブレイに「Review Board」という施設があるからそこでレベルアップが可能で、新しいスペルの習得とクラスチェンジなどもここで行なえます。あまり推奨されないことかもしれないが、Review Boardの前でセーブをすれば望みのレベルアップをするまで何度でもやり直しが可能だ。ちなみに施設内で選択肢表示中でもクイックロードが可能。

・胸を張ってレベルを上げまくればいい
序盤からプレイヤーに「本当にこのスキルを上げていいのか…やり直しが効かないんじゃ」と考えさせるゲームはちょっと困りものであるし、先が見えにくいシステムなのに後半になると「残念。やり直せないからビルド失敗キャラで頑張ってね」なんて声が聞こえてきそうなゲームはそれだけで駄作の烙印を押しても構わない。本作は旧型Wizと同じく「単純に運」のみに左右されるキャラ育成であるから、取り返しがつかないとか大事なキャラなのにビルド失敗…なんてことはあり得ないから、安心して遊べるタイプのゲームだろう。

・プレイは快適だがダンジョンは手強く魅惑的
超序盤はサービス期間だと前述しましたが、ダンジョンはなかなか挑戦的で歯ごたえがあるものだと感じた。1985年製のCRPGだから手強くて当たり前なのかもしれないが、明かりやBuff系魔法を含めたSP管理、オートマッピングがあっても序盤からけっこう複雑な形状をしている階層、町中とは異なり群れをなして襲ってくるモンスターなど、ダンジョンに入ってから誰もが「ここから本番なんだな」と気づくことでしょう。

・BestiaryとGame Statsなどがよくできている
マウスで左のメニューから表示できるし、F3とF4キーが対応しているが、とくにBestiaryは戦闘中でも表示させることが可能であり、このマップで出てくる敵生物、現在戦闘中の敵、全ての敵、のように切り替え表示も可能なのだ。Game Statsの方は倒した数とかプレイ時間とか歩数とか経過ターンとかが事細かに記録されるものですが、これは人によってはあまり好まないものが含まれているかもしれないね。現に私はプレイ時間表示で「数百時間も…」とか思いたくない人間であるから。

・一つだけ気になったこと。レガシーモードのセーブファイル
本作は通常のプレイと、オリジナル品と同等システムになる「レガシーモード」というものがあるんですが、掻い摘んで書くと「オートマッピング無し」とか「魔法のルールがオリジナル相当に」とか「セーブはギルドにアクセスしたときだけ」といったものが幾つか揃っているが、最近のCRPGにあるような「高難易度への挑戦」とは性質が異なるものだと思います。

わざわざオートマッピングを不可にして遊ぶ「不便プレイ」には全く興味が湧かないが、この中で一つだけ「セーブはギルドのみ」を選択してプレイするのは非常にスリルがあって楽しめるのではと思っています。だけれども、本作のオートセーブファイルはたった1つのファイルを全てで共有ときている。意味がわかりにくいかもしれないけれど、一度でもレガシーモードを始めてしまうと、NEWゲーム選択とかをしたら泣くことになるだろう。大事なオートセーブファイルが上書きされてしまうからね。「Legacy no??」などが生成され、専用のセーブファイルでプレイできるシステムなら使いやすかっただろう。



5時間ほどプレイした第一印象は上記のようなものになりましたが、英語版とはいえ3作セットで3.74ドル(約500円)なのだ。興味を持った人はこのセール期間中にいくしかないだろう。

・以下は現在のパーティーです

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攻撃回数が他クラスより多めになる。1人は欲しいウォリアー

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今のところはなんとも言えないが、普通に強い

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本作の主役はバード。パッシブソング、戦闘中に追加でソングなどが可能。
バードが使う歌の種類よってBGMが変わります。

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本作はローグがいないと解錠や罠関連がかなり厳しくなりそうです

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覇王伝からつれてきた松永久秀

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本作はスペルキャスターの火力が非常に重要なのではないだろうか

更新するのは久々なんで思いついたことをそのまま書いてしまうが、アスキー製のWiz外伝「能力値は種族の基本値+10が最高」はまさに神だ。たったこれだけの改変で、自身のこだわり、ロールプレイに満足感、ドワーフのメイジという実際にタフなキャスターが活きる、といった複数の愉悦が生まれてくるシステムだった。

本作は旧型本家Wizと同じく能力値は「18」が最高のようだから、能力値面では最終的にどの種族も似たりよったりになるタイプのようだ。
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