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小此木鶯太郎の事件簿 三つの謎宮 解答編をプレイし終えて。

投稿日:2010/05/12 |  カテゴリー:小此木鶯太郎の事件簿 「三つの謎宮」  |  コメント:0  | トラックバック:0
このゲームはどこまで書いてよいのかその境界線が悩ましい。いくら犯人視点で描かれる倒叙形式ミステリとは言え、作品内容をプレイ前に知ってしまったり、信憑性の度合いに関わらず、他人の推理を先に読んでしまうとやっぱり楽しさが薄れてしまう。なので、これ以下は三つの謎宮 問題編を心行くまでプレイして推理し、その後、解答編をプレイした方のみ閲覧してください。
まずは率直な感想ですが、これほどのトキメキを感じたのは何年ぶりだろうかと、何年は大げさだが、正確にはガガーブトリロジー以来だから1年ぶりなんですが(比較対象ジャンルがめちゃくちゃですが)、この年になり、この時代になり、ここに来てまた1つ、優れた名作と出会えたことに感謝したい。しかもその名作はフリーソフトだったというオマケ付きだ。

結局、私の推理は江川の消去とVol.04とVol.05焼却炉だけは正解でした。江川の消去は読者への挑戦に応募された方の82%が正解されたようで、蓋を開けてみれば意外と簡単な問題だったのでしょう。そして衛崎だが、こちらは読者応募正解率4%という難度で、理解してみると単純なことなのに、してやられた感がとても強い。何と言うか「そこで終わりなんだ」「もうそれ以上追及しても何も無い」と、思考停止してしまっていたから辿り着けなかったんだろう。

あのときあの段階で一条が口にした台詞、犯人しか知らない情報を「ポロリ」なんですが、そのポロリが他にどんな意味を持っているのか掘り下げていれば、もしかしたら何か見えてきたのかもしれない。これも犯人視点だからこそ、それ以上追及する事を止めてしまうという心理で、次回作からはこれを教訓にして、行き詰ったら一時犯人視点を離れて小此木君と警察サイドに立ち、その上で小此木君が現在知りえる情報はどこまでなのかを探り、シナリオの核心に迫るようなミスなどと照らし合わせて、もう一度情報を精査し構築し直すこと。これを行わないととても解けないレベルの謎でした。次からは頑張ろう。

一条は問題編からして明らかに「罪が軽い犯行」だと分かるので、どのような展開になるのかと期待していたら、面白いオチに至り笑ってしまいました。

Vol.04は異例のシナリオなので飛ばし、最後のVol.05なんですが、03の赤黒において、小此木君と一条の戦いがあれだけの盛り上がりを見せたので、05は拍子抜けしてしまうんじゃないかと心配になったんだが、その恐れは掻き消えた。

☆1封筒の皺、☆2焼却炉、これらは予想していたのでどうと言う事はなかったんですが、☆3最後の謎は思わず唸ってしまった。私はバス停グラフィックの件に気づいてなく、問題編の最後で訪れた場所の違和も感じないまま解答編をプレイしたので尚更ショックが強かったのかもしれない。真犯人の萩坂を通して、擬似的に小此木君に追いつめられる犯人の心境を味わえたから、ある意味足りないお頭で幸運だった。

小此木君と萩坂の戦いも佳境に入り、バス停の見間違えの件で小此木君の攻めがいよいよ強まった時、「確かに萩坂が犯人と証明できそうな詰問だが、これではまだ弱いだろう」と私は思う。続いて私の心を代弁するかのように作中で萩坂が「それでは私が犯人だと言う証明にはならん!」と語気を荒めて言う。この辺りからは犯人の方に感情移入してしまい、小此木君が悪魔のように見えてきて本当に怖かった。

そして最後の締めがまた素晴らしく、100人中100人が納得できるような作品、という方針はまやかしではなく、皺のことや焼却炉に、バス停のことなども、それらが無かったとしても、「あの段階で萩坂が先導する形で、遺書が置かれていた転落現場(上)」に足を踏み入れていたことが意味するもの。これらを理解したとき衝撃が走りました。ほんと上手く作られてますね。

一条はどうしようもない遊び人だが(だったが)、罪は軽かった。萩坂は妻に早世され、妻が残したたった一つの愛の形である娘の命も風前の灯という不幸な男だが、萩坂は罪が明らかに重い。ここらは問題編から考えていたことなんですが、そこもラストで解決してくれるという素敵な配慮があって幕を閉じた。

いずれにしても今回のこの作品、犯人視点から見せられる倒叙形式推理ノベルというジャンルにおいて、犯人視点にのみ止まる危険性を示唆してくれた。「当たり前」がどれだけ怖いことなのか、身に染みて痛感しました。この作品の凄いところは他にも色々とあって、例えば作者さんが用意した作為的な引っ掛けや、犯人のミスに関する疑問など、要所で犯人との戦いで小此木君が反論する形できっちりと白黒つけてくるところがやはりすごいと感じた。こういう拘りクオリティーから、安心してプレイできるゲーム、安心できる推理作品となっているんじゃないだろうか。

次回作はタイトルも決まり、シナリオも完成しているようで、次こそは問題編リリース直後から取り組み、1ヶ月弱かけて納得のいく解答をだして、気分よく応募したいなあ。次からは、1つのポロリ、1つのミス、そのミスが指摘済みかどうかに関わらず、小此木君が知りうる情報と併せてどこまでも追求していこう。
テーマ:PCゲー in ジャンル:ゲーム

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好きなジャンルはRPGとAVG。
RPGはファンタジーと近未来ものを好み、設定が現代なのは敬遠する傾向にある。基本的にRPGのタイプに好き嫌いはない。プラットフォームも楽しい作品ならばPCでもゲーム機でもどちらでもOKだと思っているが、今はPCのみに傾倒している。生産国は今現在、北米産は経営体制に疑問を抱いているので敬遠している。

AVGことアドベンチャーゲームは、ゲームにおける私の原点です。AVGは現代物を好み、特にサスペンス、推理ものなどが好きだが、PCではそのような日本生まれの新作は長らく登場していないのでご無沙汰状態だ。海外ゲームの移植版ならある程度はプレイしているし、英語版でもいくつかは頑張ってプレイしてきた。RPGとは逆に、設定がファンタジーや近未来ものは敬遠する傾向にある。

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