CRPGまにあ

A Game of Thrones: Genesis 狙い所は斬新だが

投稿日:2011/10/05 |  カテゴリー:A Game of Thrones: Genesis  |  コメント:8  | トラックバック:0
Agot 18-44-30-04
チュートリアルの一齣

その日の内に第一印象を書くと言いつつも発売から1週間ほど過ぎてしまいましたが、7時間ほどプレイしてA Game of Thrones: Genesis(以下Agot)の全容がある程度掴めてきた。

長くなったので続きからどうぞ。
本作Agotの開発を手がけたのはフランスとカナダ、そして中国にスタジオを置くCyanide Studiosで、本拠は恐らくフランスだと思われるが、詳しくは分からない。いずれにしても、米国やドイツ、イギリスの大手メーカー品と比べてみると、ちょっとばかり癖が強い作品、或いは作風になりやすい環境と言えるだろう。

触ってみるまで判別できなかったが、Agotは完全なる Real-time Strategy です。とは言ってもデフォルト「スペースキー」で何時でもポーズを掛けられるので、それほど忙しさは感じない。グラフィックは画像のように一見すると味があって美しく感じてしまうが、原寸大にしてみれば、欧州やロシア産特有とも言える荒々しさ、粗雑な印象を受けてしまう。

欧州ロシアのメーカーで、同程度の画質の作品はこれまでに沢山プレイしてきたが、米国産であっても微妙な立ち位置のメーカーが作ると「画質のわりに異常に重たい」というゲームが結構な数で存在しているが、Agotはこの点に関しては非常に優れているだろう。ゲームエンジンが頗る軽く、今年に入って普及し始めている統合プロセッサー、GPUオンダイタイプのパソコンでも快適に遊べるはずだ。それほどエンジンは良く出来ていると思った。

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Agotでは重要な駒となるEnvoy(使者)

が、如何せん。長所となるのは「軽いエンジン」ただ一点だけかもしれない。強引に長所を見出すのなら、RTSらしからぬ序盤の斬新な展開となるだろうが、その行為自体が面白いと感じなければ長所とは言えないだろう。

一人で遊ぶキャンペーンモードについての言及ですが
Agotのゲーム運び、勝利の方程式はこのようになる

1. Envoy、Spyなどの外交ユニットで、点在する街などと同盟を結んでいく
2. Noble Ladyという血縁同盟ユニットでも可能
3. 農民を雇って畑を耕す。数は任意で。場所はその辺にあるし、ワンボタンオート。
4. 金と食料に余裕がでてきたら、戦闘ユニットを雇う
5. 対立する派閥を打ち負かす
6. 次のマップ(ステージ)へ

大雑把な全体像はこのようになるが、残念なことにどの段階も面白くないのだ。斬新だと思えるのは1~2の段階でして、他社のコンシューマーかぶれなRTSでは絶対にこのような仕組みでゲームを作らないだろう。即戦闘、即華やかなどと言った展開とは無縁なAgotであるが、この段階でEnvoyやSpy、Noble LadyにRogueといったユニットを駆使し、プレイヤーの思うままに同盟関係を築けるシステムはなかなかの見所と言えるだろう。

Strategyに於ける同盟や婚姻といったイベントは、多くの作品では十中八九ランダム成否に頼っている品ばかりだが、Agotは状況を見て的確に同盟を結んでいけるシステムなので、この点に関しては斬新かつ優れたシステムだと言っても良いだろう。然し、同時にマイナス要素を引き起こしているシステムでもあるので、手放しでは喜べない所に難有りだ。

RTSの一人遊びキャンペーンでは、ゲームスピードの切り替えで中弛みを防止するものだが、Agotはゲームスピードの変更が出来ないので、序盤から最後までのろのろと移動スピードが遅いユニットを見守らなければならない。長時間遊ぶStrategyにおいて、このシステムは結構なストレスとしてプレイヤーに降りかかる。

一見するとユーザーインターフェースが洗練されているように見えるが、ユニット全体選択などのショートカットが今のところ見当たらないし、大部隊を動かすときはマウス範囲選択か、左の小さなユニット表示を1つずつ押して動かしていかねばならない。

RTSとReal+Turn Strategyといった違いがあるものの、Total War: Shogun 2はショートカットで全体選択、近接ユニットのみ選択、飛び道具ユニットのみ選択が揃っており、さらにキーバインド変更可能なので、操作性が極めて優れているし、近似作品といえるKing Arthurシリーズもほぼ同様と言える。Agotはショートカットにも不備が有り、キーバインドの変更さえ出来ないし、この点に関しては他Strategyと比較すると大きく見劣りしてしまう。

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バックログや今行うべき事は何時でも閲覧することができる

他にも物足りなさを感じる仕様が幾つか目に付く。Agotに限らず、Elemental: War of Magic、Guardians of Graxiaなども同じ仕様であるが、マウスのミドルボタンを押しつつ視界移動、パンコントロールを行うシステムはどう考えても納得できない。ミドルボタンとはマウスのローラーボタンのことだ。

マウスのメーカーやOSの種類によって、ミドルボタンには予め他の機能が割り振られていることがあるので、ミドルボタンを押しつつの画面ドラッグは絶対にやっちゃいけない事だ。アプリケーションごとのマウスボタン設定ができるマウスなら抜け道があるが、最悪は視界コントロールができないままゲームを遊ぶ羽目になってしまう。この点だけは何度も申していますが、右クリドラッグにするべきだろう。WASD+右クリドラッグパンコントロール。FPSとTPSや、CRPG及び多くのStrategyでは一般的な様式なのだが、何も自ら進んで変則的になることはない。

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さあ出陣! なんだけど心躍らない

最近の作品はStrategy+RPGと銘打たれていなくても、中身を充実させる為に純粋なSrategyでさえユニットの育成要素を盛り込んだゲームが多々見受けられるが、Agotのユニット育成、及び強化に関しては、金銭を払うグレードアップがおまけ程度に取り入れられている。

操作性が悪く、UIにも爆弾を抱えている上述したElemental: War of Magicを参考に出すが、Elementalは負の要素を抱えつつも、ユニットを強化するシステムが非常に楽しくてわくわくするのだ。人間タイプチャンピオンのレベルアップに装備改善に加え、それら装備の入手はテクノロジーの研究で得ることができ、ユニットは施設を建てて増産していく。

名も無き兵ユニットの装備も強化でき、クリーチャータイプのユニットを強化したり、新たに作り出したりも可能だが、それらElementalで感じる「胸躍る」感覚がAgotには一切無い。Agotではお金を払って攻撃力+20%、ステルス能力+30%など、限られた回数でちょっとだけユニットを強化していくシステムに止まっている。

他にもElementalは、敵や特殊マスからのアイテム入手があり、野良生物のパワーアップもあり、アイテムだけではなく魔法習得でもわくわくすることができる。複雑になってボリュームが増せば良いという訳でもないが、この点に関してはゲームを楽しめるか否かに直結している要素だと感じる。

ここまで長めの感想になりましたが、全体的に見た評価としては、厳しい意見を言わざるを得ない。斬新なポイントが有るには有るが、マイナス要素がそれらを上回り、ゲームの進行も非常に淡白だ。せめて操作性が極めて優れているとか、進行がとても円滑で痛快であるとか、そういった長所でもあれば話は別だが、そこらは先に述べた通りである。

現在Agotは30~40ドルで様々なDL販売サイトで売られているが、このクオリティーなら10ドルを切るまで手を出さない方が賢明だろう。例え10ドル以下で購入したとしても、この内容では多くのプレイヤーは数時間触って遊ぶのをやめてしまうだろうから、それならば最初から購入などせずに、その数時間を他のゲームに充てた方が利口かと思われる。

久々に厳しい感想となりましたが、「悪くはないけど、良くもない。気になるのなら購入するのも有りだけど、私はお勧めしない」。そんな所で閉めたいと思います。
テーマ:PCゲー in ジャンル:ゲーム

コメント

No title

Sさんの以前の記事で、関心があったのですがとても参考になりました。

doopeで同じ会社のファンタジーボードゲーム“Confrontation”のコンピューター化(といっても、ボードゲームもまったく知らないんですが)が紹介されて、またちょっと注目しているのですが、良いものが出来ることを願っています。

Re: No title

>>faustinoさん

悪くはないんだけど、余りにも味付けが薄すぎてちょっと残念なゲームかなといった印象でした。
このメーカーは似たようなタイトルのRPGをマルチで出す予定があるようですけど
そちらはどうなるのかなあ。

No title

Sさん。

ゲームってしばらく触れてみないと解らないですよね。自分に合う合わないもありますし。
特に初めて参入するメーカーは未知数なので、個人的にはどのゲームにもDEMOがあればと思っています。

Re: No title

>>faustinoさん

合う合わないと言えば、ハクスラをプレイしてみましたが
予想していたよりもクオリティーが高くて驚きです。
初期Wizをアレンジしたような作品ですね。

No title

Sさん、こんにちは。

実は私もそう思いました。一見難易度が高いように見えて、じつはとても丁寧に作られていて、レベル・デザイン、バランス調整がとても上手だと思いました。率直な感想を作者の方に伝えてあげると、とても喜ばれると思います。

Re: No title

>>faustinoさん

ある程度プレイしたら感想を書いてみようと思ってますよ。
そういえばパッドにも完全対応していて操作性が良好ですね。

No title

ありがとうございます!!

No title

参考になりました

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好きなジャンルはRPGとAVG。
RPGはファンタジーと近未来ものを好み、設定が現代なのは敬遠する傾向にある。基本的にRPGのタイプに好き嫌いはない。プラットフォームも楽しい作品ならばPCでもゲーム機でもどちらでもOKだと思っているが、今はPCのみに傾倒している。生産国は今現在、北米産は経営体制に疑問を抱いているので敬遠している。

AVGことアドベンチャーゲームは、ゲームにおける私の原点です。AVGは現代物を好み、特にサスペンス、推理ものなどが好きだが、PCではそのような日本生まれの新作は長らく登場していないのでご無沙汰状態だ。海外ゲームの移植版ならある程度はプレイしているし、英語版でもいくつかは頑張ってプレイしてきた。RPGとは逆に、設定がファンタジーや近未来ものは敬遠する傾向にある。

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