CRPGまにあ

12RIVEN - トリック系ADVのシネマティック化

投稿日:2012/03/15 |  カテゴリー:12RIVEN -the Ψcliminal of integral-  |  コメント:6  | トラックバック:0
一言一句洩らさずに読み進め、最後のルートでは選択肢が原因で後半つまづいた所があったものの、30時間弱で全てを終えた。12RIVENは、Ever17やRemember11(以後は前二作と表記)のような、メッセージ及び選択肢完成度といったクリア後のコンテンツアンロック条件が無いシステムだから、最終ルートを終えればCGなどが全てアンロックされた状態になった。

その作風は前二作よりもテンポが速く感じられる節があり、ジェットコースーター系のADVという印象を受けた。国産ADVはノベルタイプ紙芝居ゲームと形容されることが多く、元より見せることに主眼が置かれているジャンルであるからタイトルの「シネマティック化」は語弊があるのだけれど、前二作の緩やかな流れとはまた違った味わいという意味でもあり、当Blogで時折述べている「RPGのシネマティック化」を捩った感想であります。

検索をかけて当時に遊んだ方々の感想を見てみたのだが、前二作をプレイ済みでの12RIVENをプレイした感想となると、その大半が「前二作には及ばないけどそこらの一般作よりは断然面白い」という評価になるのではないだろうか。その言葉に付随するように、整合性に欠ける箇所や公正ではないシーンが至るところに散見される、という文言も付け加えるべきであるが。

ネタバレしない当たり障りがない感想として
・並みのADVでは太刀打ちできないほど面白い
・前二作の直系としての面目は何とか保っている
・前二作とは違って、広い行動範囲+多めのギミック作品へと変貌している
・声優の演技は申し分ない出来だと感じた
・CG品質に難がある

12RIVENは詰め込まれている仕掛けの数が前二作を明らかに上回っているのだが、数が多くても良くはならないという見本のようなゲームだろう。余り詳細には書けないけれど、特にEver17は全ての仕掛けをスマートに収束させているところが高評価の一因であるし、けして破綻することなく「国産ADVは基本的に一人称視点であること」「国産ADVの主人公にボイスは無くても当然であること」、などを巧みに利用していたことも優れていたポイントである。

Remember11はゲームシステムとしての品質が非常に高く、シナリオの方はゆっくりと辻褄を合わせていく過程がとても丁寧である。CGが美しくて声優の演技もすこぶる良好であり、単純に1本のゲームとして見た場合の私の好みはRemember11になるかもしれない。無論、トリック系のADVとしての出来はEver17に軍配があがる訳ですが、最近の私の傾向としては、好みの声優さんが出ているか否かはゲームの印象に大きく影響を与える要素なのだ。

もうちょっと突っ込んだものは続きに書いてみます。一部ネタバレになるので、12RIVENを未プレイのお方は押さないようお願いします。


12RIVENも冒頭から大きなトリックがあった訳だが、本格派コンピューターミステリである小此木鶯太郎の事件簿でいい具合に鍛えられたはずなのに、当たり前のようにライターが意図した状態へ導かれてしまったことが先ずは悔しかった。

注意深く見ていれば、錬丸へのメールには日付が正確に明記されているのに、鳴海へのメールにはそれが「無い」段階で怪しいと思わなければいけないのだが、先に錬丸メールを見せられているものだから、「それで当たり前」という思い込みをしてしまう。

全てを終えてから冒頭シーンを再び見てみると、メールの日付だけではなくてチサト(ミュウ)の最初の一声と、続くシーンで銃を構えたチサトとの声の違いや、鳴海が1回だけ叫ぶシーンなど、疑わしく感じられる箇所が幾つかあることに気づけるのだが、ここらは国産ゲームと言うより日本特有の「精密な演出」だと感じられる所であり、海外ゲームには無い国産ゲームの大きな長所である。

面白い作品だったわけですが、私は作風や絵柄やキャラクターらの振る舞いに寛容であるはずだと自分で思っているけれど、12RIVENの一部登場人物はどうも好きになれずに不快な気分にさせられたのだ。Remember11に黛鈴(まゆずみ りん)という高飛車な女性キャラが居るけれど、黛は嫌な性格ながらも恐怖に怯えるシーンや弱さを見せるシーンがあって、対照的な姿で中和されていたから嫌いにはならなかったのかもしれない。12RIVENの連中は超能力が使えるという理由からか、常に余裕をかまして人を見下すような態度が目に付いたので不快に感じたのだろう。

・霧寺
いわゆるツンデレ異常者君であるが、生い立ちや敵対していた理由を知れば印象ががらりと変わったけれど、口汚さはちょっと行きすぎである。それだけ声優さんの演技が素晴らしかったということなんだけれど、クソ虫やらキモイなどという言葉をあそこまで発するとは。とは言っても他キャラよりは救いがある。

・ミュウ
嫉妬が理由とはいえ、度重なる錬丸への冷たい態度といい、極めつけはミラージュの炊き出しで順番待ちをしていた錬丸への仕打ちである。個人的に越えてはならない一線を越えやがったという印象であるが、作中の錬丸はよく我慢したものだ。

・チサト
生い立ちに原因がありそうだが、無愛想で人を食ったような態度をとる尊大な高校一年生の娘である。あれだけ切迫している事態なのだから、もうちょっと素直に協力する姿勢を見せてもよかろうに。

・真琴
個人的に最悪である。どっち付かずで八方美人な行動をとり、過去に辛い経験があるから他人を傷つけても(殺しても)いいなんて理屈が通るわけはないし、理由があるとは言え人を試すような馬鹿げた連続した仕掛けを作り、最後は銃を突きつけてきて絶叫して、おまけに死ぬ間際にはお涙頂戴BGMときたものだ。

・マイナ
可哀相だと思えた哀れな人物であり、あの状況はまさに想像を絶する恐怖であるだろう。それでいながら理性を保ちつつ人徳もあって礼儀正しく大人しい女であるから、最も好感が持てた。しかしながら、あの一件以降はA世界の女神と男たちに崇められるのだろう。

・ボス
私はセガールファンでありガンダム0083も好きであるから、理由は言わずもがな。



約4年遅れてのプレイになりましたけど、やっぱりこのシリーズは面白い。評価が悪いとはいえ code_18 も遊んでみたい気がしているのだが、今のところ PSP版とXbox360版しか存在しない。

不人気だからなのか code_18 は信じられないほどの値引きとなっている。
(書いているのは2012年3月15日)

PSP版 code_18
76%OFF 1479円


Xbox360版 code_18 限定品
77%OFF 2125円
テーマ:PCゲー in ジャンル:ゲーム

コメント

No title

やっぱり、この作品も面白いんですね。打越鋼太郎さんが手がけるものは独特ものがあるような気がします。
3DSやVITAに「極限脱出ADV 善人シボウデス」という新作があるのですが、こちらもとても気になっています。

Re: No title

>>faustinoさん

以前の作品と比較してしまうと不満が結構ある12RIVENなんですが
それさえ気にしなければほんと面白いゲームだと思いました。

近年の打越さんはDS作品に携わっているようですが
私としては EVE new generation、これも近いうちに遊んでおきたいゲームかなあ。

No title

Sさん、とうとうDiablo3が発表されましたね。

今、CD WOWで3360円でした。

Re: No title

>>faustinoさん

5月15日のようですけど、昨日の書き込みのようにゲームだらけで遊びきれないですね。
私は直ぐにプレイしたいと思っていないので、ある程度パッチが当たって
安定してからでもいいなと思っています。

それならば、価格が安いCD WOWは有りですね。
CD WOWは発送が遅いところが短所ですし。

No title

今、CD WOWを見たらソフト2つで20%に変わっていました。
(お騒がせしました)
落ち着いたころの、Sさんのレヴューを楽しみにしています。

Re: No title

>>faustinoさん

それでも現在 4450円のようですね。
買うとしても、販売方法や価格以外にも何か違いがあるのか
情報待ちにしておきます。

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好きなジャンルはRPGとAVG。
RPGはファンタジーと近未来ものを好み、設定が現代なのは敬遠する傾向にある。基本的にRPGのタイプに好き嫌いはない。プラットフォームも楽しい作品ならばPCでもゲーム機でもどちらでもOKだと思っているが、今はPCのみに傾倒している。生産国は今現在、北米産は経営体制に疑問を抱いているので敬遠している。

AVGことアドベンチャーゲームは、ゲームにおける私の原点です。AVGは現代物を好み、特にサスペンス、推理ものなどが好きだが、PCではそのような日本生まれの新作は長らく登場していないのでご無沙汰状態だ。海外ゲームの移植版ならある程度はプレイしているし、英語版でもいくつかは頑張ってプレイしてきた。RPGとは逆に、設定がファンタジーや近未来ものは敬遠する傾向にある。

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